化学屋の資格受験記録

理系(化学系)です。資格・検定の受験記録をしていきます。しばらくは国家資格メインでやります。

【合格】英検1級(二次)の受検体験記 (2023-3)

はじめに

どうもソテツです。今回は2024/1/21に受検した英検1級(1次)についてです。

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概要

個人的難易度 ★★☆☆☆(1ヶ月、30-50時間程度の対策が必要)

勉強時間 50時間程度

勉強期間 2024/1~3

試験日 2024/3/3

受験回数 3回


スケジュール

申し込み 2023/11

受験票発送 2024/2 上旬

受験日 2024/3/3

結果発表日 2024/3/12


背景

下記の記事の通り、2023年度3回の1次に合格しましたので、2次を受検しました。

【合格】英検1級(一次)の受検体験記 - 化学屋の資格受験記録

英検1級は、大昔に2次試験に失敗してから萎えて受検放棄していたのですが、この所業務で英会話が必要となる場面が増えたために自己啓発のために受検しました。

 前回の失敗は

 ・そもそもほとんど対策をしていない

 ・しゃべり続ける事をせず沈黙を繰り返した

 ことが原因と分析しました。

 なので、「しっかり対策を行い」「多少ずれてもしゃべり続ける」事を最重要事項として対策を行いました。

 今思えば、筆記ですら対策が必要だったのに一番難易度の高いスピーキングの対策をしない、沈黙は必ず0点なのにしゃべる努力をしない、では落ちて当然ですね。。。


対策方法

 二次対策本としては14日でできる! 英検1級 二次試験・面接 完全予想問題英検1級 面接大特訓を用いました。また、一次の作文対策で使った英検1級 英作文問題完全制覇もスピーチのネタ・表現帳として優秀なので活用しました。

 

 

 過去問集としては、旺文社の過去6回全問題集(19年度・21年度・23年度)をそろえました。これでスピーチ180回分をそろえる事ができます。

 最新の過去問は1次と同様、公式サイトにあると勝手に思っていて少し前の年度版をそろえたのですが、2次の過去問は公式サイトに非公開のようだったので、20年度・22年度・24年度を買えばよかったですね。

 初期の対策としては、旺文社→大特訓を一通り行ってベースのアイデア・表現を固めました。設問や質疑とその応答をGoogle Spreadsheetにまとめ、自分の言葉で根拠や具体例を補足したり想定問答に対する回答を記載したりしました。大特訓は「こんな厳しい質問が来たらどうしますか?」という観点で書かれているので、高負荷トレーニングには適切です。

 対策本の例文や解答例は基本的に単語が難しすぎる・文構造が高度すぎる(=当日に上手く話せそうにない)ことが多いので、簡易的な表現に差し替えました。日本語でここまで高度な話し方はできないな…というものはグレードダウン対象でした。英検1級は「CEFR C1」レベルであってネイティブスピーカー同等の「C2」レベルではないので。

 また、この段階では捨てのテーマはなるべく設けませんでした。苦手テーマを当日選ぶことは当然しないのですが、各テーマは相互に関連しているため、テーマ間にまたがったトピックしかない場合や、スピーチ後の質疑で捨てテーマに近い事を聞かれた際にアイデアや表現に困る可能性があるためです。

 次に、過去問集で過去180回分のスピーチから110回分程度のスピーチを練習しました。試験回ごとに必ず3つのトピックを練習(キーアイデア発案、スピーチ概要作成、口頭での練習)しました。

 理想は全てのスピーチを練習することですが、時間的に制約があるため全部は練習しませんでした。過去問の半分以上を答えられるようにしておけば、1-(1/2)^5 = 97%以上の確率で、問題セットあたり1つ以上のトピックが「既知」となるという考えから、このような手法としました。

 対策を進めていくと、例えば下記のようなネタは頻出のようで、これらは特に重点的に練習しました。

 ・貧困は撲滅できるか、どのように撲滅するか

 ・テロ、戦争、暴力の原因・対策

 ・途上国の支援をするべきか、どのようにするべきか

 ・マスメディアやSNS,インターネットの社会への影響(功罪、影響の範囲)

 ・地球温暖化、環境問題への取り組み(現状、手法、比重)

 ・少子化、高齢化、格差社会(現状、対策、是非、影響)

 

 スピーチ練習は毎日行い、選択したトピックは2-3周しました。

受験当日

会場

日本外国語専門学校 目白新館

受付

日本人女性2人が受付に居て、写真表と2次受験票の確認および携帯電話収納袋兼受検者証の配布を行っています。
ほとんど屋外なのでとても寒そうなのですが・・・

待合室

40人クラスが待合室として使われていて、9:15分少し前に到着したのですが、ほぼ満員でした。

机の上に受検番号を書くマークシート用紙があり、面接官2人分のシートを記入することが指示されました。
シートの左側に受検番号、右側に面接官が受検者の点数をマークする欄があります。他の体験談を見ると、面接中に自分の評価点を見れた、なんて人もいますね…(今回は分かりませんでした)。
右下にはコメント欄もありますが、何に使うんでしょう?

マークシートを埋めている中、受験に関する簡単な注意事項説明が行われました。
9:20ころから10分おきに受検者が8人列ごとに待機室に移動していきました。

待機室

待機室というよりは、廊下に椅子が並べられている待機スペースでした。
この建物、真ん中が屋外吹き抜けになっているタイプで、要するに屋外での待機です。。。真冬にこれはしんどすぎる。。。
待機スペースからはフロア全体が見渡せて、8室ほどで同時並行で受検者をさばいているようでした。
寒すぎる、早く始めたいと思っていたところ、運よく2-3分の待機で入室することができました。

面接室

May I come in?のようなお作法はなく係員の誘導に従い入室、面接官2人にHelloとあいさつしました。
面接官1人目は、英語のアクセントからおそらくイギリス人の50代くらいの男性、
面接官2人目は、日本人の30代くらいの女性でした。

自由会話

先方および当方の名前を言い合った後、自由会話を行いました。

イギリス人男性:すこしあなたについて教えてください。
→ 在住は〇〇で、〇〇の食べ物で有名な場所です。私はその土地で化学メーカーに勤務しており、〇〇のような研究開発プロジェクトにかかわっています。この技術は社会に〇〇という影響があります。

イギリス人男性:興味深いですね。自由時間などはあるのでしょうか?
→ はい、自由時間は比較的多くYoutubeで英語学習などを行っています。

イギリス人男性:それではトピックカードを渡します。

トピック選択~スピーチ~質疑

選んだトピックカードを読むと、1~4は話せなくはないがやりづらいトピック(政治、教育、スポーツ、文化)で焦りました。普段よりも文が長くて複雑だし・・・
最後のトピックを読むとこれが途上国支援×技術のトピックで、
国家安全保障の懸念があっても、先進国は途上国に技術支援をするべきか?
というような内容でした。練習で行ったトピックに最も近いということでこれを選択しました。

スピーチと質疑の概要は、下記のような形です。滑らかに書いていますが、所々詰まったり言い直したりしています。振り返るとロジックや説明内容が間違っていたり、説明が不十分なものも多いですね。

スピーチ
この問に関しては、私はするべきだと考えます。確かに安全保障の懸念があるのは理解できますが、それでも支援を続けるべきだと考えます。
一つ目の理由としては倫理的な理由で、先進国の多くは過去、現在にかけて途上国の資源や人間を搾取して設けてきました。これらを埋め合わせる事が倫理的な観点から好ましいと考えるためです。支援を行う事で途上国の発展や安定化に寄与するべきだと考えます。
二つ目の理由としては地球温暖化や環境汚染など世界のすべての国が取り組むべき問題があるからです。このような問題は国境を越えて広がるため、技術的に進んでいる先進国が途上国に支援を行い環境をよくする必要があります(ここで時間切れ)。

イギリス人男性:技術支援はどのような形でできるでしょうか?NPOや政府機関など、どのような手法が可能でしょうか?
→ それらはどちらも可能だと考えていて、商業的に使える技術であれば大企業に現地の事務所や研究センター立ち上げを促すことでできるかもしれません。水処理技術や排ガス処理技術のような公共性の高いものであれば政府機関を通して支援を行う事が適切かもしれません。

日本人女性:技術支援の具体的な方法としてはどのような手法が考えられるでしょうか?
→ 特許を無償公開することが一つあるかと思います。通常は利用料を払う必要があるのですが、これを無料化する形です。また、学術論文を無償提供することも支援の形となるかと思います。学術論文は購読に膨大な必要がかかるので、この費用負担をサポートすることが良いと思います。

イギリス人男性:国家安全保障の懸念とはどんな事だと思いますか?
→ 技術の一部は軍事利用できるので、途上国が武器開発に用いて先進国の攻撃に利用することは懸念だと思います。また、経済の面でも途上国が競合としてより力を付けることになるので、これも懸念の一つと考えます(ここで時間切れ)。

終了後、Thank you so much, have a nice day!のような挨拶をして退出しました。退出後は携帯電話収納袋を出口付近で廃棄して終了です。

受験結果

(2023/3/12追記)受検結果としては、下記の通り合格となりました。

CSEスコアは、筆記に加え面接の638点が加算され、2937となりました。1級の合格基準が2630であることを考えると、かなり余裕をもって合格できたと考えられます(素点ベースでも9割)。

埼玉県内では上位1%のスコアでした。都道府県にもよりますが、2900付近に上位1%ボーダーがあるようです(というか、なぜ都道府県単位なのでしょうか…)。

ここまで来ると、どうせなら3000に乗せたかった…とか思ってしまいます笑

さて、スピーキングの得点明細は下記の通りでした。

満点をもらえたのはおそらくInteractionだけで、片方の採点者からのみですね。

所々言いよどんだところはありますし、英語を喋る能力がそもそも足りていないのでしょう。

英検1級合格レベルであるが、完璧ではない」が総評でしょうか。

Short Speech 8/10

Interaction 9/10

Grammar and Vocabulary 8/10

Pronunciation 8/10

 

所感

 前回失敗した2次試験の時とは異なり、スピーチ質疑共に大きな沈黙をすることなく分量や内容ともにそこそこの出来になったと考えます。ネイティブスピーカーでも淀みなく論点把握も説明内容も完璧なスピーチ・質疑を行うのは難しいでしょうから、この位でいいんじゃないか?と勝手に思っています笑

 これで厳しい結果となった場合、完全独学(独り言)では手に負えないので、何らかのオンライン英会話コース入会を考えます。

 ネット上の体験談を見ると、厳しい質問を投げかけたり、落としにかかるような面接官もいるようですが、今回は二人とも協力的(?)な対応でした。

 (2024/3/12追記)

 結果速報が発表され、合格していることが分かりました。

 意思疎通ができる「外国語」としては完成に近い所に来たと感じますが、「国語」としてはまだまだ改善の余地があります。これからも勉強を続けていきます。

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