はじめに
本記事では、全区分一発合格した筆者が、公害防止管理者試験の対策方法について記載します。
受験履歴と試験難易度
年 | 区分 | 結果 | 勉強時間(h) | 個人的難易度 |
2019 | 騒音・振動関係 | 全3科目合格 | 30 | ★★☆☆☆ |
2020 | 水質関係第1種 | 全4科目合格(公害総論免除) | 30 | ★★☆☆☆ |
2022 | 大気関係第1種 | 全5科目合格(公害総論免除) | 70 | ★★★☆☆ |
2023 | ダイオキシン関係 | 全2科目合格(公害総論免除) | 20 | ★★☆☆☆ |
筆者は2019年より受験を開始しましたが、受験した全科目・全区分を一発取得しています。
一方、公害防止管理者試験は、区分合格率が10~20%程度であることが多く、決して簡単に合格できるものではありません。
試験合格にきわめて有利である、化学系大学院卒でも一発合格を逃すのを数多く見てきました。
本試験に合格するためには、適切な参考書籍を用いて適切な勉強法を実施する必要があります。
筆者は本試験の癖を早期に見抜くことで、いずれの区分も一発合格を勝ち取ることが出来ました。
勉強法
この試験は、基本的に暗記量がモノを言います。
例えば、環境汚染に関する物質の排出状況・発生原理・回収処理方法・分析方法について細かく問われるようなイメージです。
年度で試験範囲自体は変わりませんが、過去問そのものが出題されることはほぼなく、微妙にひねりを効かせてくるため、合格率は低水準です。
公害防止管理者試験突破のコツは、この「ひねり」に対応できる知識習得です。
勝負を分ける標準・典型問題のひねり方が絶妙で、これらを正解するための勉強が不十分だと、過去問を何回も周回したのに、本番で細かい知識を問われ、あと1問足りず不合格…また1年後…ということになります。
過去問の出題と違う角度からの出題を予想したり(自分で問題作成)、分野別問題集や公式テキストから体系的な記載を拾ってまとめることで、より広範の出題に対応できるようになります。
筆者はこのような方法を実行することで全ての区分に合格することができました。
参考書について
おすすめ順に記載します。
① 公害総論・水質・大気・騒音振動関係:公式分野別問題集(基本の書籍)
筆者は主に分野別問題集を用いて対策を行いました(正確には前身の書籍)。
各科目、分野ごとに章立てされており、簡潔な体系的記述+過去問解説という構成となっておりますので、周辺知識の確認、出題傾向分析がこの一冊で済んでしまいます。
似通った出題範囲を様々な角度から出題される本試験にはうってつけの書籍です。
これらの書籍だけでも十分に合格点が狙えます。
欠点は、毎年刊行されているわけではないことです。
最新の数年分の過去問は下記の過去問集またはWeb公式サイトで集める必要があります。
また、環境基準達成状況などの時事問題知識は、下記参考書または環境省Webサイトで各自アップデートする必要があります(受験年度の3年前の状況が出題されることが多いです)。
公害総論:
水質:
大気:
騒音・振動:
② 全区分:公式テキスト(確実に合格したい方向け)
試験範囲が全て書かれていますので、全部を暗記すれば理論上必ず合格できます。
といっても、この本を通読するのはおすすめしません。
(1)過去問数年分を解く → (2)気になった設問・知識をまとめる → (3)テキストの該当部分で体系的に補完・周辺知識を固める
という辞書的な使い方がベストです。
上記の分野別問題集よりさらに詳細な記述が欲しい方、下記の年度別過去問解説と組み合わせて使いたい方はおススメします。
ダイオキシン類関係は、公式の分野別問題集がないので、体系的な記載が必要であれば必然的に公式テキストを選択することになります。
③ 全区分:公式年度別過去問解説
公式による過去問解説で、最新の過去問も掲載されています。
設問ごとに周辺知識・出題頻度のコメントなどが丁寧に記載されています。
分野別問題集を全てそろえるのは大変、最新の問題を中心に対策したい方はこちらを選択することでも対策ができます。
最後に
公害防止管理者試験の勉強法・参考書籍を紹介いたしました。
本試験は、個々の分野、科目はそこまで難しくないが、安定的に合格レベルまで持っていくのが意外と難しい…という性質があります。
参考書・勉強法を適切に選択し、合格をつかみ取ってください。
受験される方の幸運を願っております。