はじめに
どうもソテツです。今回は公害防止管理者 大気概論の環境基準達成率についての対策方法についてです。ページ下部に暗記事項まとめを作成しておりますので、併せてご覧ください。
概要
大気関係公害防止管理者では、「大気概論」科目が全員必須科目として立ちはだかります。
大気概論では、法令・有害物質の物性や発生源・人間や動植物への影響・環境基準の達成率など幅広い内容から10問出題されます。
合格のためには、この異様に広い出題範囲から6問以上正解する必要があります(例年値)。
今回は、その中でも頻出かつ重要度の高い環境基準達成率に関する出題と、現在私が行っている対策について記述します。
法規については下記に記事を作成しました。ご参考ください。
【公害防止管理者】大気概論・法規の暗記事項まとめ - 化学屋の資格受験記録
対策全般のメモも作りました。
https://www.sotetsu92101.com/entry/2022/09/06/230236
出題方式
概要に述べた通り、例年どおりであれば、環境基準達成率に関する設問はほぼ100%出現します。
問題セットに2問以上出題される場合もあり、H22~R3の問題の中では、120問中15問ほどが環境基準達成率に絡む問題です。
達成率がメインでない場合でも、有害物質の記述に絡めて出題される場合もあり、暗記必須の知識となっています。
出題内容自体は(R4の出題ではればR1のデータが出ることが予想されるので、)令和元年度 大気汚染状況について | 報道発表資料 | 環境省の記載を暗記すれば対応できるため、大気概論科目の中では比較的予想・対策しやすい部類です。
というか、正解することが前提の問題として用意されているのかもしれません(=落とすと一気に苦しくなる)。
暗記事項の確認
(1)大気汚染物質の環境基準値
達成率とは別に環境基準値に関する設問が出題される場合が多いのですが、達成率の出題に絡めて書かれることも多いので、しっかり暗記しましょう。
桁をずらしてきたり(0.4ppm? 0.04ppm?)、単位を書き換えてきたり(mg?μg?)、平均化の時間スケールをずらしてきたり(1日平均値?1時間平均値?)、他の大気汚染物質の基準を持ってきたり、出題バリエーションが豊富です。確実な記憶と注意力が要求されます。
(2)大気汚染物質環境基準の達成率・達成状況
二酸化窒素(NO2)の環境基準達成率は、一般局で??%、自排局で??%であった…のように直球で問われることが多いです。一般局と自排局の数字を入れ替える、他の大気汚染物質の数値を記述する、全然違う数字を持ってくる…といった出題のされ方が多いです。たまに数年スパンでの動きを聞かれることもあります。(増加/減少傾向なのか、横ばいなのか、…)
光化学オキシダントについては、光化学オキシダント注意報等の発令日数と年平均値、微小浮遊物質(PM2.5)については年平均値が問われることもあるので、併せて覚えておきましょう。
(3)有害大気汚染物質等の環境基準/指針値の達成状況
大気汚染物質以外の、有害大気汚染物質等の環境基準/指針値の達成状況を問われることもあります。有害大気汚染物質のうち、ベンゼン・トリクロロエチレン・テトラクロロエチレン・ジクロロメタンについては「環境基準」が設定されており、その他(塩化ビニルモノマー、クロロホルム、アセトアルデヒド等)については「指針値」なので、間違えないようにしましょう。ここを出題されたこともあります。
有害大気汚染物質ベンゼン・トリクロロエチレン・テトラクロロエチレン・ジクロロメタンについては、環境基準値自体が出題されたこともあるので、覚えておきましょう。
一方、指針値が設定されている有害大気汚染物質については、超過地点の有無を問われることが多いです。
暗記チェック (黒塗り機能あり)
環境省ウェブサイトの記載をもとに暗記事項チェックをしておきましょう。環境基準、達成期間、測定方法、環境基準達成率(2019年)について記載しました。引用元:1)令和元年度 大気汚染状況について | 報道発表資料 | 環境省、2) 大気汚染に係る環境基準 | 環境省、3) 大気の汚染に係る環境基準について | 環境省、4) 二酸化窒素に係る環境基準について | 環境省
下記のボタンをクリック/タップすると、数値を穴埋め問題にできます。機械的にやってるので、理不尽な問題もあるかもしれませんが(笑)。
各数値をクリック/タップしても黒塗りを解除できます。
1.二酸化窒素
環境基準:1時間値の1日平均値が0.04ppmから0.06ppmまでのゾーン内又はそれ以下であること。1時間値の1日平均値が0.06ppmを超える地域にあつては、1時間値の1日平均値0.06ppmが達成されるよう努めるものとし、その達成期間は原則として7年以内とする。
測定方法:ザルツマン試薬を用いる吸光光度法又はオゾンを用いる化学発光法
環境基準達成率(2019年):一般局で100%、自排局で100%(平成30年度:一般局100%、自排局99.7%)
環境基準は、工業専用地域、車道その他一般公衆が通常生活していない地域または場所については、適用しない。(下記の環境基準全てに共通です)
2.浮遊粒子状物質
環境基準:1時間値の1日平均値が0.10mg/m3以下であり、かつ、1時間値が0.20mg/m3以下であること。環境基準は、維持されまたは早期に達成されるよう努めるものとする。
測定方法:濾過捕集による重量濃度測定方法又はこの方法によって測定された重量濃度と直線的な関係を有する量が得られる光散乱法、圧電天びん法若しくはベータ線吸収法
環境基準達成率(2019年):一般局で100%、自排局で100%(平成30年度:一般局99.8%、自排局99.7%)
3.光化学オキシダント
光化学オキシダントとは、オゾン、パーオキシアセチルナイトレートその他の光化学反応により生成される酸化性物質(中性ヨウ化カリウム溶液からヨウ素を遊離するものに限り、二酸化窒素を除く。)をいう。
環境基準:1時間値が0.06ppm以下であること。環境基準は、維持されまたは早期に達成されるよう努めるものとする。
測定方法:中性ヨウ化カリウム溶液を用いる吸光光度法若しくは電量法、紫外線吸収法又はエチレンを用いる化学発光法
環境基準達成率(2019年):一般局で0.2%、自排局で0.0%(平成30年度:一般局0.1%、自排局0.0%)。光化学注意報等の発令状況は、2019年99日(2020年は45日)。
4.二酸化硫黄
環境基準:1時間値の1日平均値が0.04ppm以下であり、かつ、1時間値が0.10ppm以下であること。二酸化いおうに係る環境基準は、維持されまたは原則として五年以内において達成されるよう努めるものとする。
測定方法:溶液導電率法又は紫外線蛍光法
環境基準達成率(2019年):一般局で99.8%、自排局で100%(平成30年度:一般局99.9%、自排局100%)
5.一酸化炭素
環境基準:1時間値の1日平均値が10ppm以下であり、かつ、1時間値の8時間平均値が20ppm以下であること。環境基準は、維持されまたは早期に達成されるよう努めるものとする。
測定方法:非分散型赤外分析計を用いる方法
環境基準達成率(2019年):一般局で100%、自排局で100%(平成30年度:一般局100%、自排局100%)
6.微小粒子状物質(PM2.5)
環境基準:1年平均値が15μg/m3以下であり、かつ、1日平均値が35μg/m3以下であること。
測定方法:微小粒子状物質による大気の汚染の状況を的確に把握することができると認められる場所において、濾過捕集による質量濃度測定方法又はこの方法によって測定された質量濃度と等価な値が得られると認められる自動測定機による方法
環境基準達成率(2019年):一般局で98.7%、自排局で98.3%(平成30年度:一般局93.5%、自排局93.1%)。全測定局の年平均値は、一般局で9.8μg/m3、自排局で10.4μg/m3でした。
7.ベンゼン
環境基準:1年平均値が0.003mg/m3以下であること。2019年の環境基準超過地点数は、 0 地点。
8.トリクロロエチレン
環境基準:1年平均値が0.13mg/m3以下であること。2019年の環境基準超過地点数は、 0 地点。
9.テトラクロロエチレン
環境基準:1年平均値が0.20mg/m3以下であること。2019年の環境基準超過地点数は、 0 地点。
10.ジクロロメタン
環境基準:1年平均値が0.15mg/m3以下であること。2019年の環境基準超過地点数は、 0 地点。
ベンゼン等(7.~10.)による大気の汚染に係る環境基準は、継続的に摂取される場合には人の健康を損なうおそれがある物質に係るものであることにかんがみ、将来にわたって人の健康に係る被害が未然に防止されるようにすることを旨として、その維持又は早期達成に努めるものとする。
11.その他有害大気汚染物質
ヒ素及びその化合物 と マンガン及びその化合物 で指針値超過地点がありました(常連組です)。2018年は、この2つに加え、1,2-ジクロロエタン と ニッケル化合物 において指針値を超過した地点がありました(これらも常連組でした)。
12.ダイオキシン類
基準値は、2,3,7,8-四塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシンの毒性に換算した値とする。
環境基準:1年平均値が0.6pg-TEQ/m3以下であること。
まとめ
環境基準の暗記事項について記しました。出題パターンとしては一部網羅しきれていないものもありますが、上記を暗記すれば8割くらいはカバーできると思います。
公害防止管理者試験は、ある程度化学のベースがある方は公式サイトの過去問集や、[Yakutik様の解説サイト](https://yaku-tik.com/kougai/)で対応できると思います。化学のベースが不安な方は公式の書籍:新・公害防止の技術と法規 大気編(通称電話帳)や分野別問題集などで対応しましょう。
あと1ヶ月ですが、一緒に頑張りましょう (2022/9/3)。
法規関係については下記にまとめています。