化学屋の資格受験記録

理系(化学系)です。資格・検定の受験記録をしていきます。しばらくは国家資格メインでやります。

【公害防止管理者】大気概論の対策全般メモ

はじめに

どうもソテツです。 プロフィールはこちら。  取得資格リストはこちら。

参考

2019年 振動・騒音関係公害防止管理者 一発取得

2020年 水質関係第一種公害防止管理者 一発取得


大気概論科目とは

第1~4種大気関係公害防止管理者すべての区分で受験が必要となる科目です。計10問出題され、例年であれば6問以上で合格です(R3:合格率29.1%)。

10問だから簡単…かというとそんなことはなく、「概論」の名の通り比較的多様な分野から厳選された10問が出題されるため、暗記事項はそこそこ多いうえに運の要素も強くなります。舐めてかかると、ほかの特論が合格なのに大気概論だけ来年…ということになりかねません。

ただ、過去問分析を進めると、出題にはある程度の傾向が見られますので、優先順位を付けて対策を行うことは可能です。

大気概論の出題内容・傾向

H22(2010年)~R3(2021年)の出題120問を見てみると、概ね次のような出題となっています(出題数順)。分析は私の独断と偏見で行っているので、もっと良い分類があるかもしれません。

(1) 法規 18問

最も多いのが「法規」カテゴリで、大気汚染防止法を中心とした法文の穴埋め・用語の定義・排出基準などが問われます。パターン化されている問題が多い反面、かなり細かいことまで問われる場合もあります。

www.sotetsu92101.com

(2) 大気汚染物質の雑記問題 17問

大気汚染物質の性質、発生源、分析方法などが記述されている正誤判定問題。常識的な物性が選択肢に並ぶことが多いが、マニアックな知識が問われることもあるので、完全な対策はしづらいかもしれない。

(3) 環境基準達成率 15問

例年であれば、試験年の3年前の各大気汚染物質の環境基準達成率について問われます。パターン化されており、暗記=即得点なので優先的に取り組みましょう。(虚無ですが・・・)最近は出題数が増え、かつ、他カテゴリーとの複合問題も多いです。基準値・達成率のまとめ記事も作成しております。

www.sotetsu92101.com

(4) オゾン層破壊・地球温暖化酸性雨 14問

公害に関する記述で、オゾン層破壊物質・温暖化促進物質について問われます。

(5) 人体・動植物への影響 12問

大気汚染物質の人間や動植物への影響が問われます。影響を受けやすい臓器はどこか、影響を受けた植物はどのような特徴が現れるかなど。パターン化されています。

(6) 環境基準 11問

大気汚染物質の環境基準・指針値そのものが問われます。パターン化されているので優先的に取り組みましょう。かなり紛らわしい選択肢も見られますので、暗記時は数値・数値の桁・単位など細かい部分まで要注意です。

(7) 汚染物質発生施設 10問

大気汚染防止法・特定工場法における発生施設の正誤について問われます。パターン化されているもの(一般粉じん発生装置の種別や、「特定工場における公害防止組織の整備に関する法律施行令が定めるばい煙発生施設」として廃棄物焼却炉が対象施設から除かれている、等)に関しては是非得点したいところ。引用元: https://www.env.go.jp/air/osen/law/t-kise-4.html

1 コークス炉 原料処理能力:50t/日以上
2 鉱物(コークスを含み、石綿を除く。以下同じ。)又は土石の堆積場 面積:1,000m2以上
3 ベルトコンベア及びバケットコンベア(鉱物土石又はセメントの用に供するものに限り、密閉式のものを除く。) ベルト巾:75cm以上 又はバケットの内容積:0.03m3以上
4 破砕機及び摩砕機(鉱物岩石又はセメントの用に供するものに限り、湿式のもの及び密閉式のものを除く。) 原動機の定格出力:75KW以上
5 ふるい(鉱物岩石又はセメントの用に供するものに限り、湿式のもの及び密閉式のものを除く。) 原動機の定格出力:15KW以上

(8) 有害物質・特定物質の指定 7問

物質名が挙げられ、特定物質/有害物質の指定有無や基準値・指針値の設定を答える問題です。一酸化窒素は特定物質「ではない」、有害大気有害汚染物質で基準値が設定されているのは「ベンゼン」「トリクロロエチレン」「テトラクロロエチレン」「ジクロロメタン」の4種のみ、等。

(9) 施設と発生物質の種類 6問

大気汚染物質と発生源となる施設の組み合わせを答える問題です。

(10) 公害防止管理者の選任・責務 6問

第n種管理者を選ぶ問題、公害防止管理者の責務に関する問題です。パターン化されているので、対策はしやすいです。

(11) 汚染物質発生業種 3問

大気汚染を発生させる業種(どの業種が何をどれくらい排出しているか)についての設問。

(12) 公害事件 1問

公害事件に関する設問(最近は少ない?)

年度ごとの出題分野まとめ

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
H22 6 2 10 7 6 4 9 2 2 5
H23 1 1 1 10 3 4 8 2 5 5
H24 1 1 8 10 3 2 4 2 9 12
H25 1 8 7 7 2 4 2 9 5 5
H26 6 1 7 10 3 4 11 8 5 1
H27 6 1 8 7 3 3 2 2 2 5
H28 6 1 8 10 3 2 4 2 5 9
H29 1 7 6 10 3 6 4 4 9 5
H30 1 8 2 7 3 2 4 4 5 5
R1 6 1 1 7 3 3 3 4 11 2
R2 6 1 1 7 6 3 3 3 4 9
R3 6 1 1 7 3 2 4 4 11 5

さいごに

上記カテゴリーごとに対策を行い、どのような設問が出ているかを把握すれば、次に出そうな設問も見えてくると思います。公害防止管理者試験では、新・公害防止の技術と法規 大気編(通称電話帳)という元ネタがあり、最新年度の版を100%暗記できれば理論上満点が取れるようになっています…が、電話帳の名の通りとても分厚く、ここから出題を推測するのは容易ではありません(過去問が類題で構成されていることからして、そこまで求められているとは思えません)。少なくとも大気概論については、過去問とその周辺の対策をきちんと行い、その上でより深めたい場合に読む程度で良いのではないでしょうか。

あと1ヶ月ですが、一緒に頑張りましょう (2022/9/6)。