はじめに
どうもソテツです。
【一発合格】データベーススペシャリストの受験体験記(参考書・対策)
概要
個人的難易度 ★★★☆☆ 3-6ヶ月程度、50-200時間程度の勉強が必要)
勉強時間 80時間程度
勉強期間 2023/8~10月
試験日 2023/10/8
受験回数 1回
スケジュール
申し込み 2023/7
受験票発送 2023/9 下旬
結果発表日 2023/12/21
背景
予備知識としては下記の通りです。
・化学系研究開発職
・IT実務経験ほぼなし(実務で簡単なデータ分析、スクリプトを書く程度)、趣味程度にプログラミングなどを行ったことがある程度。
・2019年にFE、2021年にAP、2022年にSC、2023年春にNWを取得しており、IPA試験は慣れてきた。
まとめると、趣味程度にIT関連に触れており、応用情報・高度情報他区分でIPA試験にある程度慣れた人間が独学で受験した軌跡です。
対策方法
午前II
この段階では特段参考書・問題集は使用せず、データベーススペシャリストドットコム様の過去問道場で対策しました(計10時間程度)。
直近3回分以外の年度を完璧に仕上げることから始めました(直近3回分は後に本番模試として使用)。
解答時、下記のように問題を分類し、黄・赤を復習、学習対象としました。
- 正解で、解答根拠や他の選択肢の説明もできる→緑
- 正解はできるが根拠があいまい→黄
- 不正解→赤
黄・赤マークがなくなるまで学習を続け、最後に直近3回分で8割前後が取れることを確認して対策終了しました。
他の区分も同様ですが、受験区分の分野に該当する午前II設問(ここでいえば、データベース関連設問)は、正解できるだけでなく、何故かを説明できるレベルで理解しておくことが重要です(逆に、受験区分と関係ない分野は丸暗記でも構わないと考えます)。
データベーススペシャリストでいえば、関係スキーマ、UML図、SQL、排他制御、DBMS動作等の基礎知識は午後問題でも出題されます。
この段階で理解しておかないと午後問題を解くどころか、解説を理解することもできない…という事になりますので、分からない所は参考書、Web解説などを駆使して土台を作っておくことをおすすめします。
午後I/II
午後Iは3問中2問、午後IIは2問中1問を選ぶことになります。NWやSCと違って、出題分野は比較的固定的なようです。
事前のWeb情報収集から、午後IIは概念設計で決め打ちすることにしました。出題パターンがお決まりで午後Iでも必ず概念設計が出題されるためです。
となると、午後Iは概念設計+もう一問(物理設計、SQL、DBMS)ということになります。
以上から、対策の時間配分として「概念設計を重点的に対策し、SQL、物理設計、DBMSも基礎的な問題を解けるようにしておく」ことに決めました。
午後対策の参考書ですが、徹底攻略データベーススペシャリスト教科書 と 情報処理教科書 データベーススペシャリスト を併用しました。
前者は基礎的な説明が丁寧で、初学者にやさしい印象があったためで、後者は過去問解説(+解答用紙の付録)が充実していたためです。
対策初期の基礎学習としては、徹底攻略データベーススペシャリスト教科書を用いて各章を読み込みました。一周目で全てを理解する必要はないので、5割程度の理解で読む→演習問題を軽く解く→次の章へ…といった具合に進め、2周しました(計20時間程度)。
基礎学習が終わったら、すぐに過去問演習に移りました。
過去問は平成29年以降の午後I問題全て(3問×6年分)+午後IIの概念設計問題(1問×6年分)を解答しました。
問題にもよりますが、各問題を1~3周し、理解できるまで繰り返し解答しました。
一周目は特に時間を気にせず、必要に応じて参考書を使用しながら解答作成を行いました。
二週目以降は時間を計測し、特に一周目と同じ誤答をした箇所(要注意ミス)は徹底的に解説を読み込み、考え方を叩き込みました。
過去問解説については、前述の通り、情報処理教科書 データベーススペシャリスト(本編と特典の平成14年以降の過去問解説、解答用紙つき)を活用しました。
本書籍は、著者が解く筋道が丁寧に解説されています。特に、概念設計は、問題文の何をどのように読み取り、解答として何をアウトプットすべきかの判断が難しい場合が多いので、このようにお手本があるのは非常に心強いです。
一方、天下り的な解説や、説明が省略されている箇所が多少あるので、基礎を磨いてからでないと活用しきるのは難しい印象でした。
ちなみにですが、ネスぺの時はPDFでやっていたのですが、データベーススペシャリスト(概念設計)は手書きが必要なので、Kinko'sで紙に印刷したものを用意しました。少量ならコンビニでもよさそうですが、数百ページレベルですからね。。。トータル5000円くらい?でした。
DBでは解答時、NWやSC以上に問題用紙や解答用紙にメモ書きを行いますが、2周目以降のためにメモの消去が簡単になるよう、フリクションペンを活用しました 。
というのも、鉛筆・シャーペンでは消しゴムで広い範囲を消すのが大変ですが、フリクションペンの書き込みは、アイロンの熱(ドライヤーでも可)で広範囲のメモを一気に消去することができるためです。ドライ・低温できれいに消えます。
他の資格試験でも活用できそうです。ただ、本番の解答では使用できないことに注意してください。
例:下記のようなものを…
アイロン(ドライ・低温)で2秒ほどで
受験当日
午前II
特に心配事はないので順次普通に解いていく。いくつか正誤が分からない問題に遭遇するが、特に問題はない水準だったので一安心。
ほぼ間違いなく通っているだろうということで、10分程度ぼーっとして過ごす。
午後I
問題冊子、解答用紙が配られると、まず、問1は概念設計であることは分かる、かつ、空欄が多いので解くかどうかは保留。というか、解答用紙裏面も概念データモデルが見えるような…?
試験開始とともに冊子をめくると、珍しいことに?やはり問2も概念設計。こちらの方が解答欄が少ないのでまずは問2から解く。
問2は問題自体はオーソドックスだが、分量が多い・・・。設問3(3)の解答を始めたあたりで45分が経過、時間配分的には次の問題を解く段階。
最後の設問を気合で埋め、次の問題に取り掛かる。ここで残り40分。
問1(概念設計)と問3(物理設計)で迷うも、問3が複雑そうな気配がしたので問1を選択。
問1の設問1は久しぶりの正規形判定、関係スキーマ分解の出題。内容はそこまで難しくないので軽く解いていく。設問2・3もオーソドックスな出題で過去問から大きく逸脱した出題でないことに安心し、丁寧に解いていく。最後の設問を解き終わって1-2分で試験終了の合図が出された。
応用情報を受験した時のように途中からトイレに行きたくなってしまったのは焦りポイント。水分量は気を付けていたのだが。。。
午後II
解答する問題は概念設計に決め打っていたため、試験開始と共に冊子を問2に送る。
設問全体感を見ると、こちらも午後I問題のごとく、とてもオーソドックスな概念データモデル&関係スキーマ設計。直近数年は少し別角度の設問が多かったので拍子抜け。
ただ、設問自体のひねりがないという事は…どうやって受験生間の差をつけるのだろうか?問題設定が複雑なのだろうか?かなり正答率を高くしないと不合格になるのではないか?という不安がよぎる。
問題自体を読み込んでいくと、マスター領域はそこまで込み入った設定ではなさそう。気になることとしては、関係スキーマに属性を追加する際の判断材料になるお決まりの言葉が使われていない記載が多く、どこに何を書くか迷う(幹線、支線ルートやLT周りなど)。
とりあえずマスター領域を一通り埋め、トランザクション領域へ。こちらは、業務フローが意外と複雑な上に相変わらず「お決まりの言葉」で書かれていない記載が多く、どこに何を追加するか迷う属性が多い。よくわからないまま一通り回答。
この時点で30分ほど時間が余ったのでマスター領域から見直しを行う。見直しが終わったあたりで退出不可時刻となる。これ以上考えても答えは出なさそうということで、誤記確認や解答の冊子への転記を行う。
SQLや物理設計もそれなりに対策したのに結局全部概念設計選択だったなぁ…と考えに耽り、試験終了。
受験結果
午前II試験については、21/25で通過予定です。
午後Iは問1・2(いずれも論理設計)、午後IIは問2(論理設計)を解答しました。復元解答は気が向いたら作成します。
(10/12追記)復元解答作成・自己採点を行いました。
いずれも時間内にすべての解答欄を埋めることはしましたが、手ごたえが謎なので解答速報が出ても(よほど正答率が高くない限り)結果発表当日まで合否は分からないという事態になる気がします。
解答速報はiTEC様からは午後Iが10/10、午後IIが10/11に出るようです。同様にTAC様からは10/12 16:30に発表されるようです。
(2023/12/21)合格しました。午前II 84点、午後I 87点、午後II 79点でした。午後問題は予想点+5点程度でした。
所感
SCよりは難しくNWよりは簡単という感想です。
ただ、DBの論理設計は「国語」的な要素が強く、安定的に高得点を取るのは難しいように感じました。
知識である程度ごり押しできるNWと難しさの質が違うように思います。
概念データモデルは一生分書いた気がするので(笑)合格していてほしいです。
受験された方、お疲れ様でした。